今夜は、静岡のビジネスホテルにいます。
たまには、色のある話を書きましょうかねえ。僕にも多少、華のある出来事はあります。
去年の秋頃からの話です。
僕は、カフェによく行きます。地元のカフェに通っていました。
店側としては常連客となります。そりゃあ顔も覚えられることでしょう。
ある日、カウンターで注文しようとしたら、店員の女の子に声をかけられました。
「カフェラテ好きですよね」
その一言がきっかけとなり、その店員さんと話すようになりました。話すといっても、注文時かつ、カウンターごしです。
その人は大学4年生で、来年は別のカフェチェーンの営業店に就職が内定していました。
就業先の店はその時はまだ決まっておらず、「もし決まったら教えますよ」と言ってくれました。僕はその店に行くと言いました。
しかし、その後その人と会うことはできませんでした。卒業の季節となり、春とともにその人は店から居なくなったからです。
最初は仕方ないなあと思いましたが・・・しかし、ずっと心にひっかかってました。
店員さんからすれば、お世辞程度のことだったのかもしれません。
しかし僕は本心で行くと言ったんです。
これを「約束」と呼ぶならば、約束を果たせないことが心残りでした。
連絡先を知らないから、連絡を取ることができません。知ってるのは、あの人の名字と就職先のカフェチェーン店だけです。
ふと、探せる可能性があるかもしれないと思いました。
僕はそのカフェをネットで調べました。都内に101店舗あります。つまり、この101店の中のどこかにはいるということです。時間はかかるけど、探せない数じゃない。一店づつ訪ねれば、いつか見つけることができるのではないか?
希望がみえてきました。僕はその人を探すことにしました。
週末、店を片っ端から訪ねはじめました。入ってはその人が勤務しているかどうかを訊き、いなければ次の店に向かう・・・という具合です。
地図でよく見ると店は点在しているかのようで、繁華街区域に密集して設置されています。
密集しているところを1グループとしてとらえて、そのエリア内にある駅で降車し、日が暮れるまで各店を訪ね歩きました。
どの店の人たちも、嫌な顔をせず親切に対応してくれました。
そうして都内を縦横に歩きまわったわけです。しかし、なかなか見つからなくて。60店舗あたりにきて、さすがに気落ちしました。
もしその人が店を辞めていたり、他に就職していたってことになれば、もう見つからない。そう思うと、絶望です。
だからといって、諦めるわけにもいきません。まだ店は残っているし。
もっと情報が欲しいなと思ったら、その人が大学時代にバイトで働いていた店があったことに気づきました。
その店で事情聴取すれば、なにかつかめるかもしれない。僕はその店に向かいました。
そこでは、期待通り、その人を知る店員さんがいたんです。しかし僕は重大な過失をしていたことが発覚しました。
なんと名前が違っていたんです。
愚かしいことに最重要の手がかりである名字を聞き間違いしていたという・・・
店の人は就業先を知らなかった。僕は店を出た。呆然です。
違う名前で60店尋ねてしまった・・・今までの店にいたかもしれない。
でも何度も思ってたんですが、諦めたら終わりだ。終わってしまう。それでいいのか?と。
全店探していなければ、また最初から探せばいいではないか。そう思って気を持ち直しました。
…待てよ。さっきの店はあの人の下の名前を知っているのではないか?
僕は店に引き返し、下の名前を知ってるか尋ねました。店の人は思い出してくれ、あの人のフルネームが分かったのです。
引き続き、聞き込みを再開しました。
これが幸運でした。
最初に入った店でさっそく入手したフルネームでその人のことを尋ねたところ、
「いますよ」
というのです。僕は仰天して耳を疑いました。
「本当に◯◯さんですか?ここにですか?」
「はい。でも、もう今日は上がってしまいました」
こんなことがあるのものだろうかと思いました。
名前を知った途端にその人の所在も同時に分かるとは!
僕は「また来ます」と伝言をお願いし、店を後にしました。
一週間、会ったらなんて言おうとか、すごく考えました。
そして昨日、再び行ったのです。
卒業と就職を祝おうと、花屋で花束を買いました。
店に向かう途中では、心臓がドキドキだったことは言うまでもありません。
店の扉を開くと、あの人がこちらを振り返ってニッコリ笑いました。
僕は、ここで何か気のきいたことを言えたらいいのですが、不器用ときてます。探して見つけるまでの経緯とか、わりとどうでもいいことをひたすらしゃべっていました。情けない。
花束も喜んでもらえたみたいでした。ちなみに花束を買ったのは人生初でした。
こうして、やっと見つけることができました。
話は以上です。
また店に行こうと思います。
僕はあの人の常連客なのだから・・・
なんつーキザっぽいこと言いつつ、今日はここまでってことで。
たまには、色のある話を書きましょうかねえ。僕にも多少、華のある出来事はあります。
去年の秋頃からの話です。
僕は、カフェによく行きます。地元のカフェに通っていました。
店側としては常連客となります。そりゃあ顔も覚えられることでしょう。
ある日、カウンターで注文しようとしたら、店員の女の子に声をかけられました。
「カフェラテ好きですよね」
その一言がきっかけとなり、その店員さんと話すようになりました。話すといっても、注文時かつ、カウンターごしです。
その人は大学4年生で、来年は別のカフェチェーンの営業店に就職が内定していました。
就業先の店はその時はまだ決まっておらず、「もし決まったら教えますよ」と言ってくれました。僕はその店に行くと言いました。
しかし、その後その人と会うことはできませんでした。卒業の季節となり、春とともにその人は店から居なくなったからです。
最初は仕方ないなあと思いましたが・・・しかし、ずっと心にひっかかってました。
店員さんからすれば、お世辞程度のことだったのかもしれません。
しかし僕は本心で行くと言ったんです。
これを「約束」と呼ぶならば、約束を果たせないことが心残りでした。
連絡先を知らないから、連絡を取ることができません。知ってるのは、あの人の名字と就職先のカフェチェーン店だけです。
ふと、探せる可能性があるかもしれないと思いました。
僕はそのカフェをネットで調べました。都内に101店舗あります。つまり、この101店の中のどこかにはいるということです。時間はかかるけど、探せない数じゃない。一店づつ訪ねれば、いつか見つけることができるのではないか?
希望がみえてきました。僕はその人を探すことにしました。
週末、店を片っ端から訪ねはじめました。入ってはその人が勤務しているかどうかを訊き、いなければ次の店に向かう・・・という具合です。
地図でよく見ると店は点在しているかのようで、繁華街区域に密集して設置されています。
密集しているところを1グループとしてとらえて、そのエリア内にある駅で降車し、日が暮れるまで各店を訪ね歩きました。
どの店の人たちも、嫌な顔をせず親切に対応してくれました。
そうして都内を縦横に歩きまわったわけです。しかし、なかなか見つからなくて。60店舗あたりにきて、さすがに気落ちしました。
もしその人が店を辞めていたり、他に就職していたってことになれば、もう見つからない。そう思うと、絶望です。
だからといって、諦めるわけにもいきません。まだ店は残っているし。
もっと情報が欲しいなと思ったら、その人が大学時代にバイトで働いていた店があったことに気づきました。
その店で事情聴取すれば、なにかつかめるかもしれない。僕はその店に向かいました。
そこでは、期待通り、その人を知る店員さんがいたんです。しかし僕は重大な過失をしていたことが発覚しました。
なんと名前が違っていたんです。
愚かしいことに最重要の手がかりである名字を聞き間違いしていたという・・・
店の人は就業先を知らなかった。僕は店を出た。呆然です。
違う名前で60店尋ねてしまった・・・今までの店にいたかもしれない。
でも何度も思ってたんですが、諦めたら終わりだ。終わってしまう。それでいいのか?と。
全店探していなければ、また最初から探せばいいではないか。そう思って気を持ち直しました。
…待てよ。さっきの店はあの人の下の名前を知っているのではないか?
僕は店に引き返し、下の名前を知ってるか尋ねました。店の人は思い出してくれ、あの人のフルネームが分かったのです。
引き続き、聞き込みを再開しました。
これが幸運でした。
最初に入った店でさっそく入手したフルネームでその人のことを尋ねたところ、
「いますよ」
というのです。僕は仰天して耳を疑いました。
「本当に◯◯さんですか?ここにですか?」
「はい。でも、もう今日は上がってしまいました」
こんなことがあるのものだろうかと思いました。
名前を知った途端にその人の所在も同時に分かるとは!
僕は「また来ます」と伝言をお願いし、店を後にしました。
一週間、会ったらなんて言おうとか、すごく考えました。
そして昨日、再び行ったのです。
卒業と就職を祝おうと、花屋で花束を買いました。
店に向かう途中では、心臓がドキドキだったことは言うまでもありません。
店の扉を開くと、あの人がこちらを振り返ってニッコリ笑いました。
僕は、ここで何か気のきいたことを言えたらいいのですが、不器用ときてます。探して見つけるまでの経緯とか、わりとどうでもいいことをひたすらしゃべっていました。情けない。
花束も喜んでもらえたみたいでした。ちなみに花束を買ったのは人生初でした。
こうして、やっと見つけることができました。
話は以上です。
また店に行こうと思います。
僕はあの人の常連客なのだから・・・
なんつーキザっぽいこと言いつつ、今日はここまでってことで。
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