スキップしてメイン コンテンツに移動

坂本真綾のツアーは・・・

震災が起こって以来、外国や国内外の著名人から義援金や募金が被災地におくられています。

僕は、冷たい人間に思われるかもしれませんが、義援金というものに対しては、それをしようという思いがおこりません。でした。

まず、宮城に家族がいるので、お金を使うなら彼らのためにもっておきたいこと。
そもそも、自分には余裕資金がないということもあります。

それに僕が逆に被災者の立場だったら、義援金をもらってうれしいのか、ありがたいのか、迷惑に感じるだろうか?わからない。
自分が危機的状況に陥ったことがないから、彼らの気持ちは察することはできても、わからない。

だから、ことさらに彼らはかわいそうだねと言い、じゃあお金をあげます、というのはどうも違和感があります。

彼らは身障者でもなければ、弱者でもないし、そういう扱いに甘んじたくないはずです。自尊心がある。

こういう状況下で、著名人たちが義援活動をしていき、他のアーティストも、CD発売延期、コンサートの中止などが相次ぐなか、坂本真綾はどうするつもりだろう、と注意していました。まさにこの3月中はライブツアーの真っ最中です。

公式サイトの発表を待っていました。
やがて、発表され始めました。

札幌、仙台での公演は中止となりました。

しかし、名古屋、大阪は開催決行が決定しました。

それについての彼女の見解がコメントされていました。僕は読んで、じつに人間味あふれる言葉だったので、感動をおぼえました。

多くの人に、こういう考えを持った坂本真綾という人間を知ってもらいたく、コメントを載せてみることにしました。

以下が、坂本真綾のコメントです。

---------------------------------------------------------


発表になりました通り、名古屋と大阪でのライブを行うことにしました。それについての私の想いをちゃんとお伝えしたくて、文章にしようと何度も試みましたが、とても難しいです。そこで、下記は私がバンドメンバーに送ったメールですが、これを皆さんにもお読みいただくことが一番、シンプルなのではないかと思いました。少しおつきあいください。

         *         *         *
「あれから、皆さんそれぞれにいろんなこと考えながら過ごしてきたと思います。ついこの前まで当たり前に持っていた日常は一瞬でどこかにいってしまいました。落ち込んでいる場合じゃないと鼓舞するポジティブな気持ちと、もう普通の日々が戻ってこなかったらどうしようという悲観的な気持ちが、30分置きにいったりきたりして、私にとっては長い1週間でした。

 そして私は、たくさんたくさんたくさん考えた末、名古屋と大阪のライブを行うことに決めました。

 開催するにあたっては、ささやかな行動ではありますが、会場には募金箱を設置します。今はライブに行く気分じゃないとか、この開催に賛同できないとか、保護者に反対された、被災地にいて会場に行けない、交通手段がないというお客様に払い戻しを対応します。もともとトラック3台で行くはずだったのをいま1台ですむように調整してもらっています。舞台装置もなくなるし、照明機材も持って行けなくなるけど、みんなでならかっこいい音楽はできる。セットリストを大幅に変えなくてはいけないし、予定にはなかったけど今だから伝えたい曲もあります。ぶっつけ本番に近くなっちゃって皆さんにはご負担をかけますが、本当にすみません、どうかよろしくお願いします。
 人口密度の高い東京、突然の地震で、焦りや不安やデマが一瞬で伝染しましたが、その逆はできないかなあ。笑い声や感謝、思いやり、落ち着き、なにより元気な気持ち。伝染して日本中伝わったらいいなあ。

 今ライブをするということについて、色々な意見があることはわかります。私の決めたことですが同じステージに立っていたらもしかしたら誰かに、非難されるような場面が無いとも限りません。そうしたら本当にごめんなさい。
 皆さんのお気持ちを聞かせてください。お力をお貸しいただけると嬉しいです。
坂本真綾。」
         *         *         *

 この決断をするまでには本当に悩み、覚悟が要りました。色々な考え方があると思いますが、今この判断に迷いはありません。
 またとても大事なことなので、急きょ払い戻しの対応を検討したり、予定されていた公演の内容を変更するにあたってたくさんの慎重な準備が必要で、皆さんに決定の発表をするのがギリギリにならざるを得ませんでした。やきもきさせてしまって、本当にごめんなさい。こういう考えに納得できない人がいても、私はまったく尊重します。交通手段のこと、保護者の方の考え、いろいろな理由があると思います。チケット代は払い戻しができます、決して無理はしないでください。空席には人の意志があると思って、私も心して歌います。

 付け加えさせていただくと、ミュージシャンとスタッフたちが強く賛同してくれたことにとても感謝しています。今東京は、かつて経験したことのない事態に誰もが少なからず価値観に変化を感じているし、物理的に混乱もしている状態です。前例もないことで、何が正しいと誰も明確に言えないのが現状。意見も方法もそれぞれですが、でも誰もが願っていることはひとつ。日常を取り戻したい。そのために何かしたい。というまっすぐな気持ちです。

 音楽の力とは何でしょうか。私は今被災地へ行って歌を歌うことはできません。そんなものよりも義援金、物資、あたたかく寝られる場所、救助や治療が必要です。では音楽は、演劇や芸術は、今は無駄で、不謹慎なものでしょうか。私は、それは違うと思います。
 被災地の人々が芸術や娯楽を必要としてくれる場面は、もうちょっと先の未来にやって来ると思います。今私たちにできることは、被災していないあるいは被害の少ない地域の人々に、活力を保ってもらうための何かです。

 当日お越し下さる皆様には、大掛かりな舞台装置がなくても、当初の予定とは違っても、必ず楽しんでいただけるステージをお届けします。そのために全身全霊で歌います。いつもなにごとにも必死で取り組んできたつもりですが、今回ほど人の前で歌うことが怖いと思ったこともなければ、今回ほど、どうしても歌いたいと思ったこともありません。ほんの数時間ですが一緒に過ごしているあいだお客様も私たちもみんな一緒に、今だからこそ「全身全霊で楽しむ」ということをしっかりと成し遂げたいです。私は、命の勢いを感じて、生きることの喜びを感じて、それを力に変えていくことは、黙祷と同じように祈りを届ける行為になると思っています。こういうことがあった今だからこそ、私たちは、今生きている命の輝きに積極的に触れて、慈しむことが、未来への力になると信じています。

 私の気持ちは以上です。
 ライブ開催についての詳細はこちらでご確認ください。
 また、私の思う支援のかたちについてはこちらに掲載します。

 では、素晴らしいライブになるよう準備します。

 坂本真綾

------------------------------------------------------
以下、「坂本真綾が思う支援のかたち」について
-------------------------------------------------------

はじめに

 被災地復興のために少しでも力になりたいという想いを、いま誰もが共有していることと思います。義援金募金の窓口はすでにたくさんあり、たくさんの企業や個人がチャリティーを立ち上げていて街中に募金できる機会があります。たぶん皆さんは、そのどこかですでに募金をしたのではないでしょうか。私もしました。日々たくさんのお金が日本中、世界中から集まっていると聞き、自分のことのように心強く思いますし、深く感謝しています。

 このようなことがあって改めて、チャリティーという活動について、私もじっくり考えました。
 私のもとには今たくさんの方々や団体から、チャリティーイベントや募金活動へのお誘いがあります。目的は同じでもそれぞれの成り立ちも、方法も、雰囲気も、寄付先も違うもので、そのすべてに参加することは不可能と考え、実はとても悩みました。
 もちろんこうした運動に共感します。ですが、冷たい人間と思われることを恐れずに言いますと、そのいずれかに参加していずれかをお断りするのも何か気持ちがスッキリせず、かといってすべてに参加してあっちにもこっちにも私個人の名前が書いてあるという状態にも、何か違和感を感じます。
 それで私の出した結論は、当面はこのようなお誘いには基本的に不参加とさせていただき、私自身が実行または提案できる方法で最大限、そして長期的に支援し続けようというものです。
 一日も早い復興を、と切に願っていますが、想いを遂げるまでには時間も必要であると想像します。今は震災が起きたばかりで人々の意識がとても高いですが、時が経ってもこの気持ちを忘れず支援が続けられるように、長期的に広く呼びかけ、行動していくことを私の目標にしたいと考えています。

具体的に
 私が考えた支援のかたちは下記の通りです。

私は2000年のファーストライブから毎回チャリティーポストカードというものを販売してきました。売上金を全額日本赤十字社さんに寄付するという活動です。いつもは日赤の国内での活動をサポートする窓口に寄付していますが、今回は予定を変更し、日赤の東北関東大震災義援金窓口に寄付をさせていただくことにします。また、ツアーグッズの中の「クリアファイル&ステッカーセット」も急遽チャリティーアイテムとして、同じく売上金の全額を義援金にさせていただくことにします。尚この商品はIDS!SHOPの通信販売でもご購入いただけます。

予定通り開催することに決めた名古屋と大阪でのライブ会場には義援金募金箱を設置することにします。
(*)これについて補足です。あくまで個人的な考えですが、すでに多くの方がおこづかいやお給料、貯金の中から、自分の善意に従ってそれぞれに金額を決め、募金をしていらっしゃることが想像できる今、「もっともっと!」と私が先導して過剰に募るのは、何か違う気がします。ですから会場では「今日この場でとにかくたくさん寄付してほしい」と呼びかけることはしないつもりです。支援する側が日常生活をしっかり送りながら、できる範囲で少しずつでも長く続けることも大事という考えだからです。もしその日は持ち合わせに余裕がないという方は、またご自身のタイミングで身近な機関を通して募金をしてもらえれば、というのが私の気持ちでもあります。

ツアーグッズ以外に長期的にできることを、具体的に準備し始めました。用意ができ次第、こちらのホームページで提案させていただきます。

私の仕事は「伝えること」です。多くの方に向けてメッセージを発信できる立場にあるので、この震災から時間が経っても今後の活動の中で折りに触れて、皆さんに支援の気持ちを忘れずにいましょうと呼びかけていくことにします。復興の過程を見守り、私たちができることを長く意識していくように個人的にも心がけます。

ちなみにですが私個人のことを申しますと、日本赤十字社さんの東北関東大震災義援金窓口に寄付をしました。先ほどお話したように10年以上寄付し続けてきた経緯もあり、長く信頼を寄せている団体だからです。インターネットからでも、郵便局からでも入金できますので、もしも「今すぐ寄付したい!ライブ会場にも行けないしどうすればいい?」と思っている方には日本赤十字社ホームページをご紹介します。


支援する側として

 長くなりましたが、最後にもうひとつだけ。支援する側にある私たちのこれからについて、私が思っていることを書きます。
 今、自分が元気でいることや、お腹いっぱい食べたり笑ったりすることに罪悪感を感じるという人がいます。大変な人がいるのに…という気持ちは私もよくわかります。でも、被災地では過酷な環境の中でみんな励ましあって冗談を言ったりしながら必死で乗り越えようとしていると聞きます。無事でいる私たちが悲しい顔をしてるなんて、なんて情けない、おこがましいことでしょうか。
 被災地をサポートする側は元気でいなければなりません。誰かを励ましたり支援するためには、そのために体力的、精神的なでっかいエネルギーが必要なんです。しかも長期的に。

 亡くなった方々を哀悼する気持ちと、今生きている命の輝きを否定することはまったく関係がありません。生の力を恥じてはいけない。楽しむことと、ふざけることとは違います。
 楽しむこと、笑うこと、食べること眠ることの幸せを後ろめたく思うなど、命に失礼なことです。一生懸命に笑い、一生懸命に食べ、一生懸命に生きる。そして生きる喜びを伝え励まし、被災地の環境が整うまで彼らのぶんまできっちり働くことも支援だと思うのです。
 たとえば料理人が料理をつくる、花屋さんが花を売る、今までのように普通に。それが確かに長い支援につながるはずです。日常を続けられる人は続けましょう。私にとっての日常、そして仕事とは、歌い、演じ、創造し、届けることです。

 不安は人から人へ伝染します。もっと他のものを自分から隣の人へ手渡していくようにみんなで意識してみませんか。

 以上です!お読みくださった皆さんありがとうございます。

 坂本真綾
--------------------------------------------------------

以上です。

坂本真綾とは、上のような文言を発する人間です。
僕がファンである理由は、歌がいいからという以上に、人間的魅力を感じるからです。ファンでよかったと思わない時はありません。

自分ができることを考え、自分なりの方法でできることをする。
坂本真綾の選択は、迷い悩みながらも本心に従ったものであるだろうし、いわゆるCDを震災中だから売れない、発売日を延期するという打算的なものでなければ、世評を気にして右習えでコンサートを控える理由でもなければ、あからさまに興行優先で開催決行しようとするどこかのリーグのようなものでもない。

暗い今だからこそ、自分の能力を輝かせて、その輝きをもって人々の気心の上昇を喚起する。それだって立派な支援のかたちだと、僕は思います。

僕にできることとは・・・坂本真綾の活動を通して、金銭的な支援をすることができ・・・それに、今は難しいが、被災地をいつか旅行で訪れてみたい。
変わらない旅行を被災地でも行い、観光客となる。復興を目指す町の写真を撮って、その時の「今」をブログに載せることくらいです。

3/31の中野の開催はまだ不明です。

コメント

このブログの人気の投稿

DS3

先週の土曜、納車でした! ディーラーにDS3をとりに行き乗車! 運転する前は自信がありませんでしたが、路上に出ればなんとかなるもんですね。厳しい自動車学校に通ったおかげです。ナビもついてましたし。 その日は上司宅でパーティーがあったので直行。車をお披露目しました。 みんなにかっこいいやらオシャレだとか言われて、嬉しかったです。 自分で言うのもあれですが、このDS3、見れば見るほど惚れてしまいます。 乗り心地も良いし、足回りがソフトでスイスイ進む。欠点はハイオクで高いのと、長時間運転すると椅子が少し固いと思うくらい。 日曜日は埼玉の熊谷、昨日は晴海埠頭へ行ってみたり。 ドライブが楽しいと思いませんでした。 良い車と出会えたと思います。

室内のようす

しかし来てみてびっくり。 部屋の豪華なこと! 10畳の和室に、テラス、バルコニー、バス、トイレは別、液晶テレビ・・・で、眺めは写真の如し 大浴場、露天風呂も湖面を望めます。

マリオカート7

ついに出ました。 会社の人たちとさっそく対戦しましたよ。 DSもでしたけど、一本のソフトで8人まで対戦できるんです。ありがたい。 すごく楽しかったです! でも、ぜんぜん勝てない・・・ 練習だ~